2017年2月9日木曜日

失恋ガト・オ・ショコラ

 連日仕事に追われて夜更かし三昧の日々ですが、夜中に休憩タイムと銘打ってこそこそ食べるチョコレートの味は格別ですね。

 そういえばもうすぐバレンタインデー。今回は私のフランス菓子を初めて手作りしたときのエピソードを書きたいと思います。

 わたしの叔母が、ケーキ職人をしていまして(今でいうパティシエールってやつですね)、実家に遊びに来ると、クッキーやケーキ、スワンの形のシュークリームなど作ってくれたものでした。家政大学、製菓学校と有名菓子店での修行を経た叔母の作るお菓子はとても美味しく、本格的なものでした。

 中学2年の冬、ある男子に片思いをしていた私は、叔母に頼み、ガト・オ・ショコラを一緒に作ってもらいました。よい材料を使って生地を焼き、洋酒もきちんと効かせたガナッシュクリームを挟んでブラックチョコレートでコーティングされたケーキは、ほっぺたが落ちるほど美味しかったのを覚えています。

 ケーキ箱に入れ、ラッピングし、メッセージカードを添えたガト・オ・ショコラを学校に持っていき(これを持ってきているという校則違反ぶりがドキドキを助長したものです!)、部活を終えると意中の彼の自転車の前かごにそれを置き、友人数人と一緒に、隠れて自転車置き場を覗いていました。この時の緊張はいかほどか!!まさに心臓が口から飛び出してしまいそうです。友人たちもこんな現場に立ち会うことに興奮しているようでその速い鼓動がこちらにも伝わるようでした。

 「あっ!!来た!!」友人の1人が小さな声で囁きます。と、同時にその友人は両手で私の目をふさぎました。

 「えっ??」予想外の出来事に、私は友人の手をほどき、彼の方に目をやります。すると。

 なんと、彼は私も知っている同級生の女子と、肩を並べ、楽しそうに歩いているではないですか!!リサーチ不足!!彼女がいたのです。

 私は思わずその場にへたりこみ、失恋の悲しさと、こんな格好悪いところを友人たちに見せてしまったという恥ずかしさで、泣いてしまいました。

 その頭の片隅で考えていたことは

 「そのガト・オ・ショコラ、とっても美味しいから、捨てないで食べて。」

でした。

 今でもガト・オ・ショコラと聞くと、この苦くて甘い思い出がよみがえってくるのでした。


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